■ ご相談内容
「ジムでパーソナルトレーナーのストレッチを受けた直後から、左肩に強い痛みが出て、首を左に倒せなくなりました。なんとかなりませんか?」
発症は2日前。
うつ伏せで右股関節の伸展ストレッチを受けた際、体が浮き上がるほどの強い刺激が加わり、その瞬間に左肩周囲へ鋭い痛みが出現。思わず叫んでしまうほどだったそうです。
■ 状態の確認
痛みは左頚部から肩にかけて。
- 首を左に倒そうとすると強い痛みと可動域制限
- 左回旋でも痛みはあるが動かすことは可能
- その他の方向は問題なし
- 肩関節の可動域制限なし
- 熱感や腫れなどの炎症所見なし
触診では、
- 左頚部〜肩甲帯の広範な緊張
- 左中斜角筋の過緊張と膨隆
- 左第1・2肋骨の可動制限
- 左胸鎖関節の回旋制限
- 軸椎が右回旋位(左回旋制限)
が確認されました。
■ 何が起こっていたのか?
強い他動的ストレッチにより、体幹から頚部へ急激な張力が伝わった可能性が高いと考えました。
炎症が起きているというより、
体が“守ろうとして固まった”状態です。
特に、首と肋骨・鎖骨の連結部(第1・2肋骨、胸鎖関節)にロックが生じ、
それを支える中斜角筋が防御的に緊張。
その結果、左側屈で最も張力が集中し、動かなくなっていたと推測しました。
■ 介入
- 頚部〜肩甲帯のリラクゼーション
- 中斜角筋の筋膜リリース
- 胸鎖関節および第1・2肋骨への関節モビライゼーション
張力の集中部を解除し、動きの連結を再構築しました。
■ 結果
頚部左側屈の可動域は大きく改善。
患者さんからは、
「こんなに動くようになるなんて信じられません。本当に来てよかったです。いったい何をしたんですか?」
と言っていただきました。
■ 今回のポイント
痛みが出た場所だけを見ていても、改善は難しかったと思います。
大切なのは、
- どこに張力が集まったのか
- どの連結部がロックしたのか
- 筋の防御はどこから始まっているのか
を丁寧に読み取ること。
この方は月1回のメンテナンスで体を診させていただいており、普段の状態を把握できていたことも、今回の迅速な改善につながりました。
■ 最後に
強いストレッチが必ずしも悪いわけではありません。
ただ、体が許容量を超えた刺激を受けたとき、
「守る」という反応が起こることがあります。
そのとき必要なのは、
力で押し返すことではなく、
体が安心して動きを取り戻せる環境を整えること。
同じようなお悩みがある方は、一度ご相談ください。



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