【施術紹介】 ダンスパフォーマンス向上を目的とした姿勢修正

施術について

40代女性/3回目の施術

主訴

これまで以上にダンスのパフォーマンスを高めたい。

施術を受けるようになってから体の調子は良くなっているが、首の後ろ側に痛みが生じやすく、おもいきり体を動かせない。

動画による確認

ご自身のダンス動画を見せていただくと、想像以上に大きく体を反らしていることが分かりました。

その際、頸部~胸部の伸展が大きい一方で、腰部の伸展は小さい傾向が見られました。

姿勢観察・評価

座位での姿勢を観察すると、動画で見た特徴と一致していました。

特に印象的だったのは、背中の中央あたりの骨の一部がやや陥没して触れられることです。これは過伸展が集中している部位と考えられます。

また、横から見ると、骨盤に対して胸郭が前方へ偏位し、さらに頭部が胸郭よりも前方に位置していました。

上部胸椎は伸展し、肩甲骨は内転して左右の距離が約4横指ほどまで接近しています。

水平方向の動きにも特徴がありました。

上部体幹は右回旋しやすく、下部体幹は左への体重移動が得意です。

一方で、上部体幹の左回旋と下部体幹の右方向への移動には制限が見られました。

評価のまとめ

安静時の姿勢は、「左側に体重が移動したときの姿勢反応」を示しているように見えました。

加えて、頭部〜上部体幹の重心が前方に偏位しており、その状態を胸椎の過伸展と、下部体幹の重心を左後方へ移動させることでバランスを取っていると考えられます。

また、腰部から下肢後面の筋群(ハムストリングスや下腿三頭筋など)は非常に硬く、柔軟性が低い状態でした。

これが骨盤の前傾を制限し、下部脊柱の伸展を妨げている要因になっていると推測しました。

アプローチ内容

① 筋緊張の調整

全身の筋緊張のバランスを整えることから始めました。

とくに以下の筋を中心にストレッチを実施:

右脊柱起立筋(腸肋筋)、右頭半棘筋、左外腹斜筋、右内腹斜筋、左多裂筋、両側ハムストリングス、下腿三頭筋。

② 姿勢の修正

筋の緊張バランスが整ったところで、徒手的に姿勢を修正。

第10~12胸椎の高さで重心位置と体幹の回旋位を整え、上部と下部体幹の重心を一致させるように誘導しました。

結果として、第8胸椎棘突起の陥没は直接触れずとも改善し、胸椎の過伸展が緩和。

肩甲骨も自然に外側へ広がりました。

③ 運動学習

修正後の姿勢を維持したまま、ゆっくりと小さな範囲で体重移動を実施。

大きな動作では元の姿勢に戻りやすいため、**小さく丁寧に「正しい姿勢に慣れる」**ことを重視しました。

④ 自宅でのエクササイズ指導

施術後、頸部後面の緊張が緩んだことを実感されたため、以下の運動をお伝えしました。

  • 緊張の高い筋肉のストレッチ
  • 上部体幹の左回旋ストレッチ
  • 安静時の重心位置の学習

今後の課題

今後は、胸椎に無理な伸展が生じないようにしながら、腰椎の伸展可動域を高めていくことが目標です。

今回の修正された姿勢を体に馴染ませたうえで、正しい体幹伸展の動作を少しずつ練習していきます。

まとめ

今回の施術は、これまでの積み重ねが活きた非常に理想的な流れになりました。

繰り返し施術を受けてくださっていることで、より深い修正が可能になっています。

また、実際のダンス動画を拝見できたことで、より具体的に問題点を特定し、動作に直結するアプローチが行えました。

おもいきりダンスを楽しめるよう、これからも全力でサポートしていきます。

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