豆知識
人はリラックスが苦手な生き物
『人は力を入れるのは得意ですが、力を抜くのはとっても苦手』だと言われます。
理由は単純で
筋肉は、収縮(縮める)させるための命令は脳から送られてきますが、筋肉を弛緩(力を抜く)させるための命令は送られてこないからです。
私たちの脳は、力を入れるだけ入れておいて、その後のことは無視します。
なんて身勝手な機能なんでしょうか。
「え?でも、私たち、ちゃんと脱力していますよね?」
実は、それって”収縮のための命令が途絶えた”ことによる感覚なんです。
どういうこと??
筋肉の収縮は、電気製品と同じ原理
この原理は電気製品に例えることができます。
電源をオンにすると電気が通って、機械は動き出します。
では、動きを止める方法は?
電源をオフにすることですよね。
オフにするということは、”電気を通らなくする”ということです。その結果、機械は止まります。
大切なことは・・・
”機械を止めるために別の電気が通ったわけではない”ということ。
筋肉もこれと同じ原理で働いています。
縮んだ筋肉が元の長さに戻るには?
では、どうやって収縮した筋肉は元の長さに戻るのでしょうか?
それは”拮抗筋の収縮による引き延ばし効果”です。
難しい言葉が出てきましたが、原理は単純です。
腕の動きで考えてみましょう。
肘を曲げるための筋肉に上腕二頭筋があります。力こぶの筋肉ですね。
上腕二頭筋が収縮すると、肘が曲がります。
この収縮した上腕二頭筋を元の長さに戻してくれる働きをしているのが、上腕三頭筋の収縮です。
骨を挟んで反対側にある上腕三頭筋が収縮すると、肘が伸ばされます。その結果、上腕二頭筋は元の長さに戻ることができます。
このように、肘を曲げるための筋肉に対して、反対の動きをしてくれる筋肉を拮抗筋と呼びます。
拮抗筋である上腕三頭筋の収縮によって、縮まった上腕二頭筋は元の長さに戻ることができます。
つまり、筋肉が元の長さに戻るためには、その筋肉以外の力が必要になるということです。
筋肉は持続的な収縮で硬くなってしまう
通常は、このように拮抗し合う筋肉の収縮の切り替えによって、それぞれの筋肉は元の長さに戻ることができます。
しかし、長時間、同じ筋肉ばかりを収縮させるような状況を強いてしまうと、筋肉は収縮したまま硬くなってしまいます。
そうなると拮抗筋の力だけでは、筋肉の硬さを取り除くことが難しくなります。
このような筋肉の硬さは、痛みや不調の原因になります。
まずはストレッチから始めよう
そんなときに大切になるのが、ストレッチです。
拮抗筋以外の”力”を借りて、筋肉を引き伸ばそうという考え方ですね。
例えば、反対側の腕で引っ張ってあげたり、ヨガようのに自重で引き伸ばしたりすることで、硬くなった筋肉を元の長さに戻す助けをしてあげます。
ストレッチでも軽減しない硬さ
でも、硬さによっては、ストレッチでも取れないくらい頑固な状態になってしまうことがあります。
そうなると、単純なストレッチでは改善が見込めなくなります。
そんなときに”医療的な介入”が必要になります。
当院の場合で言えば、理学療法(徒手療法)や鍼治療ですね。
理学療法や鍼治療は、単純なストレッチでは改善が見込めない筋肉の硬さを緩める手段を持っています。
体の硬さに鈍感な生き物
「でも、私の体ってそんなに硬くなっていないと思います」
本当にそうでしょうか?
ここで、もう一つ、人体の大切な特徴を挙げておきましょう。
それは、人は筋肉の硬さに鈍感な生き物なんです。
実は、人の脳は、多少の不調程度なら無視できるようになっています。
私たちは常に外部から様々な刺激(ストレス)にさらされています。
それら全てに細かく反応していては生きてはいけません。そのため、多少のストレスなら無視できるようになっているんです。
そのため、多少、体が硬くなったところで脳は教えてくれません。
その結果、自分では気づかぬうちに身体は硬くなっているという状況に陥っている可能性があるんです。
人は緊張しやすい生き物
さらに、人はすごく緊張しやすい生き物だという特徴があります。
これは実際に体を動かすときだけの話ではありません。
私たちは想像の世界に対しても、実際に筋肉を緊張させています。
ピアノの発表会の前日…、大切な人との会談をが目前に控えている…
そんなとき、私たちは、ちゃんと筋肉を収縮させています。
そのため、知らず知らずのうちに、長い時間、筋肉を緊張させてしまうということになってしまいます。
社会性から体のSOSを後回しにしてしまう
さらに突っ込んだ話をすると、私たちは社会性を重視するあまり、体のSOSを意図的に無視してしまう傾向があります。
締め切りが近いから…旅行に行きたいから…大切な予定だから…
人間ですから、仕事や趣味を優先してしまうことは当然のことかもしれません。
でも考えてみてください。
もし、脳が多少の不調は無視できるようになっているとすれば、
自分で気づけるほど身体の硬いと感じるときは、症状はかなり進行していると言い換えることもできるということです。
症状は進行するほどに回復が難しくなる
体の硬さは、時間が経つほど回復に時間を必要とします。
だから、早め早めの対応が推奨されます。
時には社会からのストレスから強制的に自分を引き離し、
「私の体は無理をしていないかな?」
「ちゃんと脱力する時間を持てているかな?」
そんな問いをご自身にしてみる時間を設けてみてはいかがでしょうか。
そんな手助けができるのも、青竹-Aotake-の魅力だと思っています。
